店の裏に、小さな工房があります。
ひとりで残業をしている彼女は、ハノイ近郊出身の
今は夜間大学に通いながら働いている女性です。
子供のころから刺繍の仕事しかしたことがないという彼女は、
会社に行くことに憧れてるようで、
いつも親世代の、2人の刺し子さん仲間に将来の夢を語ってて、
2人もそれがかわいいみたいに聞いています。
先日も書きましたが、
昔は、彼女みたいにお母さんのする刺繍の内職を手伝って、
見よう見真似で覚えていった人が多いと言われていますが、
今はそういう人は激減してるのでしょうね。
田舎に行けばまだいるのかもしれませんが、
サイゴンはベトナムの大都市。
仕事がたくさんあるので、
技術を習得するのに時間のかかる刺繍を仕事に選ぶ人はごく少数なのです。
時代の流れなので仕方がないのかもしれませんが、
ベトナムの刺繍はどうなっちゃうのかな-と、
時々ふと寂しくなってしまいます。
なので。
刺し子さんたちが楽しく将来の話をしてる時に、
現実に引き戻そうと、茶々を入れてしまうのが最近の私。
ちょっと嫌がられてますがやめられません。